イノベーション、特に破壊的イノベーションの勉強をするにあたり、具体事例を整理してみた。あくまで読書をもとにした個人のまとめ。
ターゲットが違う
多くのホテル運営会社がPCMF(Product Current Market Fit)、現在のマーケットに適合させイノベーション(=持続的イノベーション)を起こそうとしてきたのに対し、AirbnbはPFPF(Product Future Market Fit)、そもそも将来生まれてくる市場をターゲットとしていた。
今ではよく聴く『モノ』から『コト』へ、のユーザの志向の変化をいち早くとらえていたと言えると思うが、2008年の創業当時は理解されずベンチャーキャピタルから投資を50回以上受けられなかったらしい。
UXが違う
時価総額を支えたUXは従来ネットで宿泊予約が完了するまでにかかったマウスのクリックの平均は10回程度と言われているがそれを3回まで短縮し利便性を向上した。
時代が後押し
2008年にAirbnb創業し、UXの圧倒的な変更をした頃にスマートフォン市場が大幅に拡大し始めた。そして民泊事業で懸念となる与信はFacebookなどのSNSが普及することで利用者の情報をケアできるようにもなった。
また、投機目的の不動産の空き部屋が増加しオーナーが困り始めるといった事象も発生し始めていた。
Innovationで変わったこと
ホテル業界における時価総額の考え方
Airbnbの時価総額(2018年)は約3兆円に上る。これまでのホテル業界における時価総額と言えば保有する土地や建物をもとに算出されていたが、Airbnbはこのような資産を持たずに下記で評価されている。
・サービスの持つ圧倒的なUX
・ホストとゲストに係るデータ
・サービスの認知度やブランド
宿泊業における宿泊施設を増やす仕組み
従来ホテル ➡ 土地の購入、建設、スタッフ育成
民泊 ➡ 上記全て不要
(イノベーションの変遷)
下記のように時代(顧客の求める性能ニーズ)と破壊的イノベーションがマッチするタイミングで持続的イノベーションを行ってきた企業は前提から見直しの必要に追い込まれる。